本田技研工業(7267)子会社の循環取引



ホンダは24日、子会社の商社で扱う水産物を巡って循環取引
が行われ、売上高や利益が大幅に水増しされていたと発表した。
ホンダは2011年3月期連結決算で水増しされた利益などを
修正し、最大150億円の損失を計上する。

子会社は、ホンダが全額出資し自動車部品などを扱う「ホンダ
トレーディング」で、何故か、エビやシラスなど水産物も
扱っている。不正取引があったのは、業者から水産物を仕入れ
て、業者が水産物を必要とするときに売り戻す取引。相場を
上回る高値で仕入れたり、同じ商品の仕入れと売り戻しを繰り
返したりして、取引額を大きく見せかけていた。

不正取引は04年から行われ、同じ従業員が継続して取引を
担当していたため、発覚が遅れた模様。昨年10月下旬に取引
先への売り戻しができなくなり、その後の調査で不正が発覚。
昨年12月20日に不正が報告されたという。その後、社内で
調査委員会を設けて調べた。ホンダは今後刑事告訴も検討する。

架空取引による不正のケースでは、架空取引が破たんするまで
社内で不正を発見できないことが多い。また、この部署がグル
ープ内で金額的重要性が乏しく、内部統制評価の範囲外だった
ようである。ドン・キホーテの例もあるが、日本企業のコンプ
イアンス体制は、「絵に描いた餅」が多いようである。今後も
色々な企業で不正が発覚する可能性大である。